4文京盲第1760号
令和5年3月31日
校長 山岸 直人
前年度に引続き、「自立と社会参加を目指し、希望する進路を実現する学校」を「目指す学校」として掲げた。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の状況を踏まえ、徐々に緩和されつつも、内容や規模などを制限せざるを得なかった取組も多い一年間ではあった。しかし、教職員一人一人が自己の職責を自覚し、安全・衛生・健康などの面を最優先しつつ、視覚障害教育の専門性に基づく指導とその維持・継承・発展を図るとともに、教育活動をはじめとする学校運営全般に組織的に取組み、以下の成果や結果が得られた。
※ 評価の凡例 … A:十分に達成できた B:おおむね達成できた
C:あまり達成できなかった D:ほとんど達成できなかった
1 人権を尊重した教育の推進 | |
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(ア)いじめ、体罰防止、自殺予防等に関わる校内職員研修 年2回 | A |
(イ)教職員の言葉かけ、服装等の身だしなみの改善 全教職員 | B |
2 学習指導 | |
(ア)ICT機器(特にタブレット端末)やデジタル技術の活用 随時 | B |
(イ)東京2020大会のレガシーの浸透(スポーツ志向、障害者理解、豊かな国際感覚) 通年 | B |
(ウ)資格取得の推奨(英語検定、漢字検定等の受検推進) 通年 | A |
(エ)長期休業中の補講、補習、実習等 40講座以上 | A |
(オ)研究授業 普通科:年35回以上 専攻科:年20回以上 | B |
(カ)視覚障害教育夏季専門研修への参加 延べ80人以上 | C |
(キ)外部講師を招聘した教育研修会 年3回 | A |
3 進路指導 | |
(ア)普通科:3年生の進路実現 100% | B |
(イ)専攻科:あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師国家試験の合格 100% | A |
(ウ)進路指導に関する保護者向け説明会、進路先見学会の実施 いずれも各学年2回以上 | A |
4 生活指導 | |
(ア)心の健康相談による、生徒及び保護者支援の実施 通年 | A |
(イ)SOSの出し方に関する教育 年1単位時間又は日常の指導 | A |
(ウ)セーフティ教室、一泊二日宿泊防災訓練の実施 いずれも年1回 | A |
(エ)個別ニーズ対応のケース会議の実施 年度当初及び随時 | A |
(オ)登下校通学指導及び一人通学指導の実施 年度当初及び随時 | A |
5 特別活動 | |
(ア)部活動の充実 加入率90%以上 | A |
(イ)地域交流校との交流 年1回 | D |
(ウ)主体的な学校行事への参画 生徒満足度80%以上 | A |
6 健康・安全 | |
(ア)生徒の安全確保、事故の防止 事故の発生:年0件 | A |
安全指導日における教室等環境整備チェック 月1回 | A |
(イ)給食におけるリクエスト献立 月2回程度 | A |
(ウ)食物アレルギー調査、アレルギー研修 年1回以上 | A |
学校保健委員会・研修会 年2回 | A |
(エ)衛生指導、感染症予防及び健康教育に関する研修会の実施 年1回 | A |
(オ)職員健康診断受診率 100% | B |
7 特別支援教育のセンター的機能 | |
(ア)学校Webサイト(ホームページ)の更新 通年 | A |
(イ)学校紹介リーフレット作成・配布 2000部 | A |
(ウ)コーディネーター等による関係諸機関等への相談支援(入学相談対応含む) 年100回 | A |
(エ)「東京都ロービジョンケアネットワーク」への参加・協力 年間を通じて随時 | C |
8 学校経営・組織体制 | |
(ア)企画調整会議、主幹会議 いずれも週1回 | A |
(イ)在校時間の縮減(一日あたり11時間以内を目途) 通年 | B |
定時退勤日 月2回 | A |
(ウ)服務の厳正、個人情報の保護等に関する研修会 年3回 | A |
(エ)適正な学校予算の執行 一般需用費の学校経営支援センター契約率:50%以上 | A |
(オ)生徒による授業評価 年2回 | A |
授業評価協議会 年3回 | A |
新型コロナウイルス感染症は、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(通称:感染症法)上の分類が令和5年5月から変更される見通しとなった。様々な制約の緩和が一層進むものと予測されるが、単純に令和元年度以前(いわゆる「コロナ前」)と同様とするのではなく、これまでの約三年間の状況を踏まえた検討を行いつつ、教育活動を進めていくことが必要である。
複数年にわたる教育課程プロジェクトでの検討により、初年度はおおむね円滑に実施することができた。次年度は、年次進行により改まる各科第2学年の教育課程を確実に実施する。また、観点別学習状況の評価における評価規準及び評価方法の精度を向上させる。
オンライン授業や各行事のオンライン配信、統合型学習支援サービスを活用したアンケートの実施など、積極的に活用することで活用技術の一定の向上が見られた。次年度も、更なる活用を図りつつ、視覚面から生じ得る活用上の課題を集約し分析するなど、デジタルサポーターとの連携のもと、検討や実践を行う。
専攻科オープンキャンパスの継続実施や学校Webサイトの活用により、保健理療及び理療の魅力を発信する。また、東京都ロービジョンケアネットワークなどにおいて更なる連携を図り、特に、これまで視覚障害者同士の接点がなかった成人が相談し・安心できる場所となるように努める。
これまでも、教職員の業務改善、会議等の精選・効率化、教職員の在校時間の縮減等に取組んできたが、十分な成果を得るには至っていない。教職員の出退勤システムにおける集計を基に日常的な注意喚起を行うほか、各部署での業務内容を精査し、業務削減に向けた検討を進める。